GIAHS Study Tour

世界農業遺産認定地域だからこそ、 オーガニック(有機JAS農産物)の拠点に
各地に伝わる農の遺産と有機農業奨励の活動をつなぐ。 世界遺産認定地域を“オーガニック食材供給の拠点”にするために。 ー世界農業遺産とは? 社会や環境に適応しながら何世代にもわたって営まれてきた伝統的な農林水産業、それにともない発展した文化・景観・生物多様性などを、国際連合食糧農業機関(FAO)が「世界農業遺産(GIAHS~Globally Important Agricultural Heritage Systems)」として認定し、次世代につなぐ取り組みを行なっています。地域の気候風土と調和し、数十年~数百年にもわたって伝承されてきた暮らしや産業の在り方は、自然に寄り添い、創意工夫を重ねて日々を紡いできた、先人たちの知恵や技術の宝庫と言っても過言ではありません。
ー伝統農法と有機農業
その一方で、近代日本の農業は、戦後80年の間に、農薬や化学肥料に頼る農法へと舵を切り、品種改良は、選抜育種からゲノム編集へと大きく変貌したという側面も。世界農業遺産認定地区でさえも、これらの洗礼を免れてはいません。

ー“Local から National”へ
このシリーズツアーは、長年受け継がれてきた「農業システム」や「食の文化」への理解を深めるとともに、オーガニック農産物や加工品・天然の食材や資材の発掘に重きを置いています。世界農業遺産認定地域が“オーガニック食材供給の拠点”として機能していくよう、地域を超えた「TEIKEI(※提携)システム」を構築。また、それぞれの地域でオーガニック認証取得を推奨し、申請から認証取得までに必要なサポートを行います。


実際に観て、聴いて、触れて、味わう。繰り返し訪ね、絆を深める。 地域を超えてつながり、未来を築く。
様々な旅行会社や団体が世界農業遺産を訪ねるツアーを実施している中、私たちが大切にしているのは、“一度訪ねて、見学して、終わり”という観光ツアーにはしないこと。 ①長年にわたり地域で守ってきた“遺産”を、現地で実際に体感し、価値を理解する。 ②生産者とじっくり語り合い、地域を超えた絆を結ぶ。 ③有機JAS認証取得を推進・拡大し、オーガニック食材供給の拠点にする。 ④仲買を入れないシンプルな流通システム(TEIKEI)を構築。 ⑤定期的に現地を訪れ、観察・検証・相互理解を深める。 など、世界農業遺産認定地が“オーガニックの郷”になり、この国の食卓を支える底力となるよう、具体的に歩みを進めていきます。

Map

GIAHS map

Itinerary

2025.03/27 thu-28 fri [1泊2日]

静岡県わさび栽培地域

静岡水わさびの伝統栽培

2018年認定

静岡県掛川周辺地域

静岡の茶草場農法

2013年認定

山梨県峡東地域

地域の扇状地に適応した果樹農業システム

2022年認定

静岡県わさび栽培地域
山梨県峡東地域
静岡県掛川周辺地域

400年もの歴史を持ち、徳川家康にも献上した日本最古のわさび田で、可憐なわさびの花の“お花見”を。茶園では、畝間にススキやササなどの“刈敷き”を行う伝統的な茶草場農法を、山梨県峡東地域では、扇状地の傾斜地において発達した多様な果樹の栽培技術を学びます。自然と調和しながら続いてきた農法が織りなす里山の景観に、どっぷりと浸る2日間。

01/02/03

2025.04/14 mon-16 wed [2泊3日]

大分県国東半島宇佐地域

クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環

2013年認定

熊本県阿蘇地域

阿蘇の草原の維持と持続的農業

2013年認定

宮崎県高千穂郷・椎葉山地域

高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム

2015年認定

大分県国東半島宇佐地域
熊本県阿蘇地域
宮崎県高千穂郷・椎葉山地域

降水量が少ない国東半島宇佐地域に点在するいくつものため池と、水源を涵養(かんよう)するために育てられてきたクヌギ林、野焼き・放牧・採草という農作業により、千年にも渡って維持されてきた阿蘇の広大な草原。国内に唯一残る焼き畑農業。自然の在り方と人の知恵とがもたらす地域固有の景観や生物多様性・伝統的発酵食・神楽をはじめとする伝統芸能の魅力にも触れる旅です。

04/05/06

2025.06/01 sun-02 mon
[日帰り/1泊2日]

和歌山県みなべ・田辺地域

みなべ・田辺の梅システム

2015年認定

和歌山県みなべ・田辺地域

大粒の実と柔らかい果肉で全国的にも定評のある“南高梅”の母樹発祥の地・「高田果園」を訪ね、梅の魅力にどっぷりと浸かる1日。梅の実が実る季節に、有機JAS認証取得の梅の実を用い、梅干し・梅酒・梅シロップを、参加者各々がご自宅用に仕込むワークショップを開催します。

07

2025.06/16 mon-17 tue
[日帰り/1泊2日]

徳島県にし阿波地域

にし阿波の傾斜地農耕システム

2017年認定

徳島県にし阿波地域

段々畑のような水平面を形成せず、傾斜地のまま農耕する地域では、草地で採取した敷き草を畑に漉き込むことで土壌の流出を防ぐ農法が400年にもわたって受け継がれてきました。地域の文化や環境に適応しながら何世代にもわたって受け継がれてきた伝統的な農具や技術など先人達の知恵は、持続可能な農業のモデルとして注目されています。

08

2025.07/14 mon-16 wed [2泊3日]

兵庫県兵庫美方地域

人と牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム

2023年認定

兵庫県兵庫美方地域

山に放牧され、棚田に使役されながら、家族同様に大切にされてきた但馬牛は、地域の草原や棚田の維持・農村文化の継承にも貢献。有畜複合農業のモデルケースとして高く評価される美方地域を訪ねます。京丹後では、農業遺産の認定条件は満たしていないものの、すべての圃場で有機JAS認証を取得し、年間200種以上もの有機JAS認証野菜を出荷している稀有なオーガニック生産者、梅本さんを訪ねます。

09

2025.08/04 mon-05 tue [1泊2日]

新潟県佐渡市

トキと共生する佐渡の里山

2011年認定

新潟県佐渡市

トキが舞う郷の美しい景観と生物多様性を守り育む、「湿地状の深み“江”」・「田んぼと水路を魚たちが行き来する魚道」・「ビオトープ」・「ふゆみず田んぼ」・「田んぼだけでなく畦道にも除草剤を使わないこと」…等。水田を中心とする環境保護に地域ぐるみで取り組んでいる様子は、日本の里山保全のモデルケースと言えます。

10

2025.10/06 mon-08 wed [2泊3日]

岐阜県長良川上中流域

清流長良川の鮎

2015年認定

滋賀県琵琶湖地域

森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム

2022年認定

岐阜県長良川上中流域

“里湖”とも呼ばれる琵琶湖周辺地域には、昔から、農作業のかたわら、湖に近い河川・水路・水田などで、自給自足に必要な分だけ魚を捕る「おかずとり」という習慣がありました。長良川に1300年以上前から伝わる伝統的漁法「鵜飼い」は、宮内庁職員である鵜匠が鵜を操り、かがり火に集まってくる鮎を捕えます。生物多様性に富んだ“水のテロワール”が育む、多彩な淡水の恵みを再発見する旅。

11/12

2025.11/04 tue-05 wed
[日帰り/1泊2日]

埼玉県武蔵野地域

大都市近郊に今も息づく武蔵野の落ち葉堆肥農法

2023年認定

埼玉県武蔵野地域

江戸時代から、家屋・平地林・畑を隣接させる計画的な農村づくりが行われてきた地域。火山灰土の痩せた土地に樹々を植え、落ち葉堆肥による土壌改良を行ない、農業を発展させ、川を利用した水運で、江戸(東京)の需要に応えてきました。大都市近郊でありながら、オオタカの繁殖地や希少植物の生育地としても知られています。

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2025.11/29 sat-30 sun [1泊2日]

宮城県大崎地域

『大崎耕土』の巧みな水管理による水田システム

2017年認定

宮城県大崎地域

厳しい自然環境ゆえに発達した水管理の技術、水田の湿地生態系と共生する農業、ラムサール条約認定湿地の渡り鳥など、水と共に暮らしてきた日本の農村の原風景に触れます。4000km離れたシベリアから毎年渡ってくる7万羽ものマガンが、夕暮れ時、愛らしい鳴き声で家族のコミュニケーションをとりながらねぐら入りする様子は圧巻。

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[開催時期調整中/日帰り]

石川県能登地域

能登の里山里海

2011年認定

石川県能登地域

里山の風土が育んだ農の知恵や発酵技術、里海の「揚げ浜式製塩」、急傾斜地に広がる「白米千枚田」・稲のはざ干し(天日干し)・海女漁など、伝統的な農林漁法や景観などを有する能登。2024年には震災や豪雨が大きな爪痕を残しましたが、現地の方々は被害を乗り越え、以前にも増して魅力的な街づくり・ものづくりに尽力しています。復興へと歩みを進める能登の、“今”に触れる旅。

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